校訓:質実剛健 信条:技術者となる前に人間となれ

校長挨拶

本校は、今年度、創立107年を迎える歴史と伝統を誇る工業高校です。校訓「質実剛健」のもと、県内はもとより全国の産業界で活躍する数多くの有為な人材をこれまでも輩出してまいりました。生徒数は県下の公立高校では最大規模であり、「全日制」、「定時制」に加え、全国的にも数少ない「専攻科」を併設した、本県工業高校の基幹校となっています。「技術者となる前に人間となれ」は、本校に脈々と受け継がれてきた教育信条であり、高校における諸活動を通じた人間教育を土台にして、様々な工業教育の実践に努めているところです。
全日制においては、昨年度も就職決定率100%を達成し、多くの生徒が地域の産業を支えていく工業人材として巣立っていきました。また近年は、工業高校で学んだ技術・技能を公務員となって行政の立場から支えていこうという者も増えております。進学についても、国立大学をはじめ進学者の約半数近くが四年制大学に進んでおり、就職にも大学進学にも強い学校です。

 

 

部活動においては、これまで甲子園出場13回を誇る野球部が、昨年の春季高校野球県大会で9年ぶりの優勝を果たしました。また、自転車、弓道、卓球、ボクシング、新体操、相撲、放送委員会がインターハイや全国大会に出場するなど多数の部において、伝統校の力を存分に発揮しています。県総合体育大会総合優勝に対する同窓生の熱い想いは、血となり肉となって令和のこの時代にも工業生に引き継がれています。さらには、この本校の活動を陰ながら支えているのが伝統ある應援團です。本校のみならず地域全体を応援する活動を積極的に展開し、多方面から大いに期待される存在となっています。

 

 

資格取得やものづくりコンテストなどにも果敢に挑戦しており、昨年度は建築科の生徒が、本県の高校生としては初めて「技能五輪全国大会」への出場を果たしました。また、難関資格である第三種電気主任技術者をはじめ、多くの国家資格等にも合格しています。
定時制においても、県下で唯一の工業科(機械・電気・建築)の課程で学習に励みながら、職業に直結する各種資格・検定の取得に挑戦しております。また、部活動でも、限られた時間の中で練習に励み、サッカー、陸上、卓球、自転車の各部が全国大会に出場しています。

 

 

さらに、令和2年度に設置された「専攻科 創造工学科」においては、機械・電子分野における先進的技術者を育成する学校として、地域企業から着実に評価されており、これまで以上に大きな期待が寄せられているところです。また、専攻科建築科(夜間部)では、昨年度より、一級建築士の受験資格が取得可能となり、近年では、自身のリスキリングの場として働きながら活用する生徒も増えています。

 

 

現代は、「VUCAの時代」ともいわれる変化の激しい予測困難な時代です。このような時代であるからこそ、目先の大学進学や就職を目指してただ単に闇雲に学ぶのではなく、既存の概念にとらわれず様々なことに柔軟に挑戦していくための資質・能力を身に付けていくことが必要です。本校は、そんな新しい時代を創造することのできる工業人材の育成を目指して参ります。未来を拓く本校生の活躍にご期待ください。
 
山梨県立甲府工業高等学校長 萱沼 恵光